カテゴリー「古生物」の3件の記事

2008年12月 7日 (日曜日)

古生代カンブリア紀(参)

【潰れた松ぼっくり】

ウィワクシア(Wiwaxia)

背中側は木の葉型の骨板で覆はれてゐて、長い剣状の棘が何本も生えてゐます。
松ぼつくりが潰れたやうな形をしてゐて、発見当初は何の仲間かサッパリ判らず、バージェス動物群特有の「奇天烈動物」とされてゐました。體長は最大で5cmほどです。

現在では研究が進み、環形動物門多毛亜網に分類されてゐます。現生のウロコムシの原初形態です。

http://kawa3104.hp.infoseek.co.jp/wiwakusia.html

これは現生のコブツキウロコムシ

http://www.env.go.jp/nature/nco/kinki/kushimoto/gokai/9.htm

【えっ、ハルキゲニアの仲間?】

アユシェアイア(Aysheaia)

有爪(ゆうそう)動物門とされてゐます。背中に二列の装甲を持ち、脚の先に爪を持ちます。ハルキゲニアも仲間とされてゐます。現生のカギムシの直系の祖先です。

http://210.227.47.57/treasure/calender/11/ec1121_r.html

現生のカギムシ

http://www.tbs.co.jp/doubutsu/ehon_181.html

【泳ぐ洗濯板】

オドントグリフス(Odontogriphus)

学名の由来は「歯の生えた謎」といふ意味です。
“カンブリアの一反もめん”とも・・。(うそです。)

http://kawa3104.hp.infoseek.co.jp/odontogurihusu.html

【でつかいミジンコみたい】

レアンコイリア(Leancholia)

目が無く、長い触手で周りを感知してゐたやうです。

http://paleontology.ac/atelier/Leanchoilia.html

【待ち伏せが得意なヤツ】

オットイア(Ottoia)

砂の中に潜んで、獲物が近づくといきなり口を突き出してパクッとやつてゐたやうです。
鰓曳(えらひき)動物といひます。最大體長は16cmほどです。

http://www.gnhm.gr.jp/archives/inpaku/cambrian/ottoia/chapter01.html

【三葉虫の仲間か?(分類不明)】

マルレラ(マーレラ)(Marrella)

バージェス頁岩動物群の中では最も個體數が多く、すでに1萬5000個體以上發見されてをり、同動物群の4割近くを占めます。體長は2cmが最大とされますが、3cmとする解説もあります。三葉虫の仲間と思はれてゐましたが、後に獨自の節足動物であることが確認されてゐます。

http://www.nrc.gamagori.aichi.jp/w_muse/enjoy/cambrian/marrella/chapter01.html

最後にリンクした“WEB科学館”は面白いサイトですね。ページの下部にある「WEB3Dで遊ぶ」をクリックすると3D畫像が樂しめます。カーソルを繪に合はせてクリックしながら動かしてみてください。(殘念ながらMacには對應してゐないやうです。)

さて、カンブリア紀の動物たちはまだまだ澤山ゐるのですが、キリが無いのでそろそろ別の時代のお話しへと移りたいと思ひます。
次囘は、カンブリア紀以前はどうなつてゐたのか、を書いてみたいと思ひます。お樂しみに。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月23日 (日曜日)

古生代カンブリア紀(弐)

【カンブリア紀もう一つの大スター】

オパビニア・レガリス(Opabinia regaris)

頭部に備へられた五つの目、顔面から伸びる掃除機のやうな長い口、その先端には棘の生えた鋏状の器官があります。
いやそれはまあ~、アノマロカリス以上に奇怪な生物ではありますが、體長は7cmとアノマロカリスよりずゐぶん小振りです。

オパビニアに對する古生物學上の分類としては、節足動物門のうち、絶滅種として「アノマロカリス亜門」を創設し、他の多種のアノマロカリスとオパビニアをひつくるめて分類してしまはうといふ考へ方と、「ラディオドンタ目・オパビニア科」として、アノマロカリス科とは別科のものとして扱ふといふ二つの考へ方があるやうです。

http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5218/opabinia.html
これは後者の方です。

【最初は逆さまだったモンスター】

ハルキゲニア・スパルサ(Hallucigenia sparsa)

化石が発見された当初、トゲトゲが対になつているほうが「足」だと思はれてゐました。
そのときは、背中の触手(本当は足)が一列にしか見えなかつたからです。

ただ、このトゲトゲを「足」とするのも大変無理がありました。
脚のどこにも「関節」がないので相当歩き難いだらうと・・。
海底は砂状です。謂うてみれば、鳥取砂丘を竹馬で歩くやうなもんです。ふつう歩けません。

その後、背中の触手と思はれたものは實は二列あると判明し、復元図の修正が行はれました。

http://www.kcn.ne.jp/~agnostus/room2/hallu.htm
左が当初、右が修正後です。

【我々の祖先かも・・】

ピカイア(Pikaia )

カンブリア紀唯一の脊索動物です。「脊索(せきさく)」といふのは背骨ではありませんが、その原型となるものです。
從つて彼らは、我々「脊椎動物門」のご先祖様かも知れないのです。でも、当時はかなり日陰の存在だつたやうです。(たへがたきをたへ、しのびがたきをしのび・・)

http://www.gnhm.gr.jp/archives/inpaku/cambrian/pikaia/chapter01.html

<次回以降、適当につゞきます。>

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年11月22日 (土曜日)

古生代カンブリア紀(壱)

[カンブリア紀の大スター]

カナダ西部を走るロッキー山脈の中腹に、「バージェス頁岩(けつがん)」と呼ばれる古生代カンブリア紀の地層があります。カンブリア紀とは5億4200萬年前から4億8830萬年前の古生代初期の地質年代のことです。
このカンブリア紀に現在地球上で確認されてゐるほとんどの生物種の原型が出現したとされます。
この“出現”は非常に唐突であり、それ以前、つまり「先カンブリア紀」と呼ばれる時代との關連が全く見出せないことから、この現象は「カンブリア爆發」と呼ばれてゐます。
またバージェス頁岩からは、非常に多くの奇妙な生物化石が多數發見されてゐますが形状があまりに奇天烈なため、彼等は「バージェス・モンスター」などとも呼ばれてゐます。

バージェス頁岩が発見される以前の1886年、バージェス頁岩の近くのスティーブン山で奇妙な化石が発見されました。鉤型をした生物の化石で、内側に棘のやうなものが生えてをり、エビに似てゐたところから「アノマロカリス(奇妙なエビ)」と命名されました。20個以上発見された化石は全て、そろいもそろつて頭部が欠けてゐて、確かに「奇妙」ではありました。
その後、1909年に発見されたバージェス頁岩の中からもこの化石は出てきたのですが、これらも全て頭部が欠けてゐたのです。なぜアノマロカリスの頭部が欠けてゐるのか・・。
學者たちは悩みました。どこかに頭部がある筈だと・・。

もう一つ奇妙なことがありました。頁岩から発見される他の生物たちには明らかに「消化器官」が認められるのに、この奇妙なエビにだけはそれが見受けられなかつたのです。

一方、別の化石で頭を悩ませてゐた學者もゐました。それはクラゲの様な円盤状の化石でした。
しかしそれはクラゲのやうではありながら、中央に穴が開いてゐたのです。そんなクラゲの化石はそれまで発見されてゐませんでした。これは「ペユトイア」と命名されました。

ところが、頭の無いエビと穴の開いたクラゲ、これらの奇妙な二つの化石がある日突然結ついたのです。
それは、またこれらとは別にナマコと思はれる化石を採集してゐるときに起こりました。
削り落とされた岩の下から、あのクラゲと思はれてゐた円盤状の化石の一部が現れたのです。
そしてすぐその近くからは、一対のあの「エビ」も一緒に発見されました。それまで全然別のものと思はれてゐた化石が一箇所に固まつて発見されたのでした。これはもう偶然とは言えなくなります。
研究の結果、これらの化石は、もつと大きな生物の一部だつたと結論づけられたのでした。

古生物學では、別々と思はれてゐた生物が同じ生物のものだと判明した場合、最初に命名された名前が優先するという決まりがあります。それでこの、「エビ」と「クラゲ」と「ナマコ」が合体したやうな新しい大きな生物の化石は、最初に発見されたエビのやうな化石の名前をとり、「アノマロカリス」と呼ばれるやうになつたのでありました。1985年のことでした。

最初に「奇妙なエビ」が発見された時からすでに100年が経つてゐました。

これが當初それぞれ別の生き物と思はれてゐた化石達です。
http://www.trilobites.info/background.html

そしてこれがアノマロカリスの復元圖です。
http://www.geocities.co.jp/NatureLand/5218/anomarokarisu.html

[アノマロカリスの種類]

アノマロカリスはこれまでに数種確認されてゐます。
バージェス頁岩からは、「アノマロカリス・カナデンシス(Anomalocaris canadensis)」と「アノマロカリス・ナソルスティ(ナソーリ)(Anomalocaris nathorsti)」の2種が確認されました。一般に体長60cmとされる種はカナデンシスの方です。
ナソルスティは最近になつて「ラガーニア・カンブリア(Laggania cambria)」として再記載されてゐます。

それから北西ポーランドからは「アノマロカリス・カスビア」が報告されてゐます。

また、中国雲南省からは、3種の報告があります。中国産のものには、2本の長い尾がありました。
一つは体長11cmの小型のもの、二つ目が体長1メートルの大型のもの、そして驚くべきは三つ目で、これは例の円形の口しかみつかつてゐませんが、その直径は25cmに達し、本体の推定体長は実に2メートルにもなります。

アノマロカリスはカンブリア紀最大の捕食者でありました。顔の前面にあるあの棘だらけの腕で三葉虫などを捕まえ、あの丸い口についた歯でバリバリとやつてゐたのでせう。現に、アノマロカリスにかじられたと思はれる痕が残る三葉虫の化石が発見されてゐますが、これについては疑問視する研究者もゐます。

http://www.palaeoshop-fossil.com/6million/GalleryK/permanent/Erlathiakingii1-1.html

こちらにはいろいろなアノマロカリスが紹介されてゐます。
http://www.museum.fm/anomalocaris/species/species.htm

<次回につゞきます>

| | コメント (0) | トラックバック (0)